3/23(水)Holy Wednesday
この日教会前の道路は封鎖され教会主催の演劇が催されました。予定では18:30開始でしたが実際に始まったのは20:30。。あとで先生に言ったら「It’s Firippino time !」 と言って笑ってました。フィリピン人は時間にルーズだとのこと。自分と気が合いそうだなと思いました。面白かったのはなかなか始まらないのに観客がそれが当たり前のことのように待ってること。遅い!といらいらしてた自分とは違ってました。
ようやく始まります。
演劇ははじめ音楽とダンスではじまり、そのあと殉教者の物語になりました。音楽は中華系で、キリスト教劇とおかしなコラボレーションだなと思いましたが、フィリピンにおける中国の影響力の大きさのあらわれかなと見ながら思っていました。ただ実際、劇が殉教もので重いだけにこの中華音楽の華やかさは聴衆の求めるところだったでしょう。
天使がやって来ました。観客席の間を歩きます。
殉教者が天に召されます。
フィナーレ。さっきまでの重くシリアスな流れとは無関係に一気に騒いではしゃいで盛り上がりますw
大団円には龍も出て来ました。
劇が終わり役者、スタッフ、観客が入り交じり喜びを分かちあいます。
子供たちは紙吹雪で大はしゃぎ。
この劇については教会のスケジュールに次のように書かれてました。
“Ang Martir” A Dance -Drama on the martyrdom of the first Filipino Saint, Lorenzo Ruiz
ロレンソ・ルイス。フィリピン人の聖人でカトリック教徒。日本に初めて来たフィリピン人で江戸時代初期に長崎で殉教しました。
この劇を見るときはこれらについて何も知りませんでしたが、あとから知って日本にまつわる劇だったのかと意外な驚きでした。
劇自体はよかったです。とくに主役のキリスト者が迫害者の迫害にあって殺されるところ。ハリウッド映画に代表される私の見慣れたストーリーではここで誰かが助けるか、主人公が迫害者を倒すのですが、無残にも殺されてしまうのでした。悪が勝つ。不条理だ。だが主人公は天国で神に迎えられるのでした。そうか、と思った。これは私のよく見慣れた劇ではないのでした。キリスト教劇なのでした。この劇の本質は死にある。つまり殉教にある。主人公が迫害者に殺されるシーンでは背後でキリストが迫害され磔にされる映画が映されました。それまで音楽とダンスには散漫だった観客の集中力が一気に高まるのが分かりました。固唾をのむ音が聞こえそうなほどの空気。そして天国で神があらわれ主人公を迎えた時には拍手が起きました。そのとき観客は殉教者に、そしてキリストに共感していたと思います。