ベトナムに後ろ髪を引かれながらも、私は次の目的地、カンボジアのシェムリアップへやってきました。この町の周辺にかの有名なアンコールワットがあるのです。
この記事ではシェムリアップ国際空港から市内へ、そして旅行者に便利な「パブストリート」近くに宿をとった経緯を写真とともに綴ります。
シェムリアップ国際空港
飛行機を降り空港建物まで歩きます。雨上がりの空が綺麗でした。
一風変わったデザインが◎なシェムリアップ国際空港です。
カンボジア入国にはビザが必要で、私はここでアライバルビザ を取りました。受付にあるビザ申請書に必要事項を記入し、パスポートと顔写真1枚(45mm×35mm)、ビザ代(2020年4月現在は30$)を一緒に提出します。するとパスポートにこんなビザを貼ってくれます。
お洒落なビザで嬉しくなりました。1ヶ月間有効の観光ビザです。
シェムリアップ国際空港から市内へ
シェムリアップではオールドマーケットと呼ばれる地区が町の核のようで、特にその近くのパブストリートが旅行者に人気ということでした。そこで私は事前にパブストリート近くのゲストハウスをネットで予約しておきました。高知家という日本人経営のゲストハウスです。
空港からピックアップもしてくれるとのことで、あらかじめメールで頼んでおきました。ホーチミンからシェムリアップへの航空機の便名と到着予定時刻をあわせて伝えると、高知家からこのようなメールをもらいました。
そんなわけでシェムリアップではタクシーを捕まえて自力で市内まで行くという労力を払わないでよかったので安心でした。
空港出口では無事ドライバーと合流でき、夕闇の忍び寄る通りをトゥクトゥクで市内へと向かいました。
シェムリアップ 高知家
高知家に着いたときあたりはすでに暗くなっていました。日本人経営ということで日本人スタッフがいると想像してましたが、その日はいなくて、対応したスタッフはカンボジア人の若い女の子でした。ただ別の日に見たとき中国語を話してたので中国人だったのかもしれません。
親切な娘で、流暢な英語で受付とともにホテルの説明も丁寧にしてくれましたが、そのときツアーはどうですかと聞いてきました。
高知家の企画するツアー一覧です。
シェムリアップ市内からアンコール遺跡群にはかなり距離があるうえ、各遺跡間もまた距離があるので、バイタクやトゥクトゥクの運転手と交渉するか、自分でバイクか自転車を借りなければなりません。
ですが高知家でツアーを企画しているなら、それを利用した方がバイクの運転手を探したり交渉したりするより楽だなと思われました。そこでツアー一覧にある「Small Circuit」にとりあえず参加してみることにしました。アンコール・ワットとアンコール・トムを回るツアーです。ツアーとはいっても私は一人なので、トゥクトゥクのドライバーと私の二人で回ることになります。
すると受付の女の子は「Sunrise at Angkor Wat」はどうですかと尋ねてきました。アンコール・ワットで日の出を見るのが人気なようで、そのことをそのときはじめて知りました。せっかくここまで来たのだからと思い、私はそのツアーに参加することにしました。
彼女は頷いて、「今日雨降ったから大丈夫だと思う」と呟きました。そのときはなんのことか分からなかったのですが、つまり明日は晴れて太陽が昇るのが見れるだろうということが言いたかったみたいです。
アンコール・ワットで日の出を見るためには朝早い時間にホテルを出発しなければなりません。時間は忘れてしまいましたが、4時か4時半だったか、その時間にここ受付前に来てください、ドライバーが待ってます、と彼女に言われました。了解して鍵を受け取り二階に上がりました。
シェムリアップには8日間いましたが、ずっとこの高知家にお世話になりました。とても居心地がよかったです。私が泊まったのは個室ではなくドミトリーですが、比較的きれいでお洒落でした。
各ベッドにはライトと電源があります。WiFiはもちろん完備。セキュリティーボックスもあって貴重品を入れることができます。南京錠が必要で、私は持ってましたが、ない人は受付で買うこともできます。トイレ、バスルームは共同。私が泊まった二階のドミトリーはエアコン付きです。二階は男女共同のドミトリーでしたが、一階のドミトリーは女性専用です。
私が訪れた5月はカンボジアはオフシーズンのようで、ここ高知家を割引価格で泊まることができました。
私が滞在してる間、日本人スタッフは一人男性を見かけただけでした。大人しい感じの人で向こうから積極的に話しかけてくることはありませんでしたが、私としてはそのほうが気が楽でした。私は旅先で日本人とガンガン絡みたいというタイプではないので。その日本人スタッフ以外は何人かのカンボジア人(中国人?)がスタッフとして働いてました。受付前の共有スペースで彼らスタッフやドライバーがよくくつろいでましたが、見た感じいい雰囲気でした。
これは2016年5月のことなので、今はいろいろ変わったところもあるかもしれません。これを執筆してる今はコロナ禍の真っ只中なので、高知家は大丈夫かなと少し心配でもあります。
シェムリアップ パブストリート
高知家に荷物を置いて一息着いた私は近くにあるというオールドマーケットとパブストリートに夕飯がてらくりだすことにしました。
高知家から5分も歩かないうちにパブストリートに面した賑やかな大通りに出ました。確かにツイッターで宣伝してるように高知家は好立地です。
通りのあちこちには多くのバイタクが客待ちしていて、私を日本人と気づいた何人かのドライバーが声をかけてきました。
「葉っぱ」「おま○こ」
どこでそんな言葉を覚えたんでしょうw
それにしても、これだけバイタクがいるならアンコール遺跡群を回るためのドライバーが見つからなくて困るということはなさそうでした。ただ、ぼったくられないように交渉したりする面倒を考えると、やはり高知家のツアーに参加したほうが楽だと思われました。
大通りに面してナイトマーケットがありました。
中に入ってみます。
ナイトマーケットの奥にはステージがあり、踊ってたのは・・・オカマでした。これを見た瞬間の私の違和感を誰か理解できるでしょうか? それは端的に言えば「なんでオカマなんだろう?」というものでした。
ゲイバーでもない普通のナイトマーケットのステージに突如現れたオカマ。日本だったらこういう場所でオカマを目にする機会はほとんどないのではないでしょうか。テレビでゲイの芸能人を見る機会は昔より増えたとしても、自分の生活圏で、隣人としてゲイを見たり接したりする機会はまだまだ少ないと思います。
カンボジアでは日本よりもゲイに対する理解が進んでいるのかもしれません。いわば受容と需要があるのではないかと。
それはフィリピンについてもいえます。フィリピンでは間違いなく日本よりゲイに対する理解が進んでいます。街中でもゲイっぽい人をたまに見かけます。こんなことがありました。マカオのキアポで宿を探しているときのことです。あるラブホテルとしても使えるホテルで宿泊料をフロントに聞いてるとき、ホテルの中から若い男のカップルが現れ仲睦まじく外に出ていきました。こっそり出ていくでもない、その平然とした普通な感じに私は軽く驚いたものでした。日本でこういう場面に出くわすことはあまりないのではないでしょうか。
そういえばタイのカオサンロードにもたくさんのゲイがいたものでした。
こういう点、東南アジアは日本より開放的なのかなと思うのでした。
通りを渡りパブストリートに入っていきます。
ここパブストリートはバンコクのカオサンロード、ホーチミンのブイビエンのようなところです。外国人旅行者、とりわけ西洋人が好みそうな賑やかな通りで、レストランや酒場、マッサージ店や雑貨店がひしめきます。おきまりの大音響で音楽を流すバーなどもあり大勢の外国人が踊ったり酒をあおったりしてます。
お洒落なレストランも多い。
マッサージ店は観光客に人気です。
パブストリートには屋台も多い。
ベトナムでもよく見かけたフルーツジュース屋台。
サンドアートと書いてあります。砂を使ったアートなんでしょうか。はじめて見ました。店主は見たかんじ西洋人のようです。
パブストリートのはずれにはシェムリアップ川が流れています。河川敷にはベンチが並んでました。ここに座って川を眺めながらよく屋台のメシを食べました。
次の日は朝早いのであまり遅くならないうちに高知家に帰りました。
次回はこの旅行前半のハイライト、アンコール・ワットです。